玉木宏主演『砂の器』滋賀県ロケレポート!!

滋賀ロケーションオフィス

2011年03月09日 17:17

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テレビ朝日二夜連続ドラマスペシャル『砂の器』

■放送日:<2夜連続放送>
    2012年3月12日(土)夜9時~
    2012年3月13日(日)夜9時~
 
  

■出演者:玉木宏、中谷美紀、小林薫、佐々木蔵之介 ほか
■原作:松本清張
■公式HP:http://www.tv-asahi.co.jp/suna/index.html


今まで何度もリメイクされてきた松本清張、不朽の名作『砂の器』が新たにスペシャルドラマで放送されます。
今回は、若手刑事・吉村宏の視点で描かれる点が今までと大きく異なります。
若手刑事・吉村宏を演じるのは玉木宏さん。その他、ベテラン刑事・今西栄太郎を小林薫さん、新進気鋭の作曲家・和賀英良を佐々木蔵之介さん、今回のオリジナルキャラクター洋子を中谷美紀さんが演じるなど、キャストも豪華です。

あらすじ
昭和35年、12月11日未明。東京・蒲田駅構内の操車場で、初老男性の他殺体が発見される。
顔は潰され、判別できないほどであったが、首を絞められ、死後に顔を潰されたものと推定された。
捜査本部による聞き込みにより、怪しい男が浮上。
蒲田駅付近のバーで事件前日の夜男二人連れの客があり、そのうちの一人が被害者の風貌と一致したのだ。
また、被害者が東北弁らしき言葉を使っていたこと、そして、『カメダは相変わらずですか』と犯人らしき男が言っていたこと、
その2点が重大な証言として挙げられ、『カメダ』というキーワードを軸に大規模な捜査が始まる・・
(公式HPより)

このドラマの撮影が滋賀県でも行われました!

ロケ地1 岡村本家(豊郷町)
今年は近年稀にみる大雪に見舞われていますが、今回は恵みの雪となりました。
なぜなら、ここでの撮影は「秋田県にある酒蔵」という設定だったのです。
ロケ2日前に降り積もった雪のお陰で、設定条件は難なくクリア。
撮影がスムーズに進められました。



岡村本家は江戸時代に創業された大変歴史ある酒蔵で、その歴史を感じさせる建物と
今もなお使われている酒蔵の雰囲気がロケ地にふさわしく、選ばれました。
岡村本家のみなさまは、大変ロケに協力してくださいました!

例えば・・
「手ぬぐいの巻き方はどんな感じでしょうか?」という役者さんの質問や
「この機械はどのように使うのでしょう?」
「この床は濡れていた方が映像的に美しいのだけれどここが濡れていることはおかしくないでしょうか?」など
場面設定の考証にも一つ一つ丁寧に答えていただきました。

そして奥では、先代の社長さんと奥さまが甘酒を用意し、ふるまってくださいました。
さすが、酒蔵での甘酒は他とは比べモノにならないほど濃厚で、スタッフからも「うまい!」の声連発。
何より、そのお心遣いに身も心も温かくなりました。ありがとうございました。

さて、順調に進む撮影におもしろいものを発見。
「雪降らし」の機械です。
「本番」の声がかかると同時に”雪降らし”の機械が動きだし、雪が舞うイメージを作り出していました。
また、”雪国秋田”を表現するため、美術スタッフさんが周りの雪を持ってきて建物そばに積み足していました。
細かい細工が映像を引き立てているのです。


右側の機械が「雪降らし」の機械。


美術スタッフさんが雪をおいて、「雪国秋田」を演出中・・

岡村本家は、彦根藩主井伊大老より酒造りを命じられ、国宝彦根城の別名金亀城(こんきじょう)から
酒名に「金亀(「きんかめ」と呼ぶ)」を使っています。
今回のドラマ設定で使われる「羽後亀田駅」や「亀嵩駅」と共通して「亀」の文字を使うことから
「金亀」の「のれん」をそのまま使っていただけることになりました。
「金亀」の「のれん」がかかる酒蔵にも注目してください。



ロケ地2 信楽高原鉄道・雲井駅など(甲賀市)
雲井駅は「砂の器」の重要ポイント「亀嵩駅」として撮影されています。
また昔の映画版でも吉村が刑事の執念をみせた「血のついたシャツの切れ端を探す」
シーンの撮影が行われました。


ホームの駅名看板「かめだけ」はもちろん”つくりもの”です!「亀嵩駅」ぜひ注目してください。

信楽高原鉄道では4か所で撮影。
撮影で線路内を歩くことができる数少ない鉄道だったため、ロケ地に選ばれました。
とはいっても信楽高原鉄道の職員さんに協力を求め、電車の通過時間をきちんと管理した上で撮影しています。
危険ですので決して歩かないようにお願いします!


線路上で撮影できる路線は、意外と少ないそうです・・

消えたたぬき・・
2つ目の鉄道ポイントでの撮影の時。吉村刑事(玉木宏)の姿を映すカメラさんが気づきました。
「吉村刑事の奥に映っているの、たぬきだよな。」・・
そう、ここは信楽! 信楽といえば有名な、信楽焼のたぬきの置物。
通過する電車を迎えるたぬきの置物が数体、はるか遠くに置いてあるのを、
カメラさんがみつけてしまったのです。
舞台設定が「滋賀県」ではなかったため、「そのたぬきは消せる??」との一言で、
スタッフにより信楽たぬき達は一時移動させられてしまいました。
こんなことにも注意しながら撮影されています。


撮影のため、消されたたぬきの置物たち・・・


わかりにくいとは思いますが、たぬきの置物がなくなりました。


 実はすごい橋なんです・・
3つ目の鉄道ポイントは「第一大戸川橋梁」。
一見素朴な橋のように見えますが本格的なプレストレストコンクリート橋(PC橋梁)としては、
わが国最初のものであり、設計から施工までの指揮をとられたのが、国鉄総裁であり、
登録有形文化財に選定されたという価値ある橋なのです。
現在、新幹線での橋梁モデルにまでなっている、とても良好な橋とのこと。
竣工は昭和29年。昭和30年代が舞台のこのドラマにはぴったり!!
そこまで調べ尽くして選ばれたこの橋の上を吉村刑事は歩いています。




枯れ葉に埋もれたシャツの切れ端・・
吉村刑事が執拗に探す「血のついたシャツの切れ端」。本当に布を小さく切って作られています。
撮影のためにばらまかれた切れ端数枚。
撮影終了後、いつまでもスタッフが、落としたコンタクトレンズを探すかのように地面を凝視しているので
聞いてみると「切れ端が一枚みつからない。」とのこと。
その後の撮影でも使うため、どうしても探し出さないとならないもの。
4人がかりで目を凝らして探しますが枯れ葉と同色でわかりにくいこと!!
・・・・しばらくしてようやく見つかり一安心。
吉村刑事の「(シャツの切れ端を見つけ出し)あった・・」というセリフ。共感しました。


これが吉村刑事が必死に探している「事件のてがかり」だ!!

全面協力の信楽高原鉄道
今回、信楽高原鉄道さんには、全面協力していただきました。
安全に撮影が行えるよう通過時間を管理していただいたことをはじめ、
電車の汽笛の回数を増やしていただいたり、電車の走るスピードを減速していただいたり・・
電車の運転手さんまで巻き込んでの撮影になりました。
ご協力、ありがとうございました。


ロケ地3・滋賀県庁周辺道路(大津市)
道路や背景に見える建物が昭和っぽい・・と選ばれたロケーションです。
吉村刑事と今西刑事(小林薫)が歩いている横を、洋子(中谷美紀)が車から声をかけるシーン。
洋子の車は時代を感じさせる劇用車なのですが、実際は交通博物館に展示されているような貴重な車で
北は東北、南は九州からそれぞれ個々のご好意によりご協力いただいた車の一台なのです!


県庁前での撮影風景。レトロな車と、左側の昭和を感じさせる建物がマッチしています。

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この作品は「昭和30年代」にふさわしいロケーションを求め、関西を中心に200箇所近くをロケハン、
約56箇所で撮影されたそうです。
制作担当Hさんも、「映画なみに探した」とおっしゃる程の、徹底したこだわり。
自信をもってオススメできる映像に仕上がっているそうですので、ぜひ「砂の器」お楽しみください。


 ロケ地にもぜひあそびにきてください。


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